義父の誕生日会をかねて
久しぶりに家族で集まったとき
20代の甥っ子と話す機会がありました
私が彼と初めて会ったのは10年前
自分からは積極的に人に関わらず
それでいて
人を拒絶している様子でもなく
ただそこにいる
私がこちらに来てからは
会う機会も多く
思春期のときは
とんがった行動をして
いつも家族や親せきの
話題に上っていました
私は彼がとんがった行動を
しているときでも
人に迷惑をかけたり
何か悪いことをしでかすことは
絶対にないという確信がありました
彼のその行動は
彼の中にある言葉にできない気持ちを
ただ表現しているだけで
誰かに対して向けられるものでは
ないと感じていたから
彼は話すスピードが遅く
みんなで話しをしていても
彼が話すことにあまり誰も
注意を払わずと言うか
彼が話し始める頃には
もう次の話題に移っていたり
することが多いのですが
彼はそれを特に
気にしているそぶりを
見せたことがなく
きょうだいも彼が何を考えているのか
よく分からないと言います
学校を卒業したあとも
いくつかの仕事の見習いに
いくけれど長く続かず
周りも彼のやる気のなさを
たびたび口にしていました
でも彼女が出来たころから
少しやる気がでてきたのか
どんな勉強をしているかを
会うたびに話してくれ
去年無事に資格が取れたと
聞いていたのでほっとしていました
先日会ったときには
どんな仕事をしているのか
話してくれたのですが
その仕事がすごく楽しいと
いう訳ではないと言うので
何に興味があるの?音楽?と聞いてみると
「それをずっと自分に問いかけている」
彼がこう答えたのです
この言葉に彼の苦しみが
全て詰まっているように感じました
日本語のクラスに通ったこともあるけど
それもすぐにやめてしまって
何をやってもやる気がでなくて
続けることができない
そこで私が彼にかけた言葉は
「大丈夫、いつかきっと見つかる」
普段から多くを語らない彼から
出た言葉に対して返した言葉は
とても陳腐なものだったかも
知れませんが
じっと私を見つめ
何かを考えているようでした
人はいくつになっても
悩みながら生きている
そんな人生も悪くない
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