明日のお話し会をとても楽しみにしている心理カウンセラー 橋本真弓です。
私が知る多くのヨーロッパ人は、自分の気持ちや思いを言葉にします。
そのことを初めて実感したのは、イギリスに留学しているとき。
同じクラスだった3人(日本人、スイス人、私)に先生が
今より上のクラスに移っても問題ないから、考えて返答するように言われました。
文法的にはもちろん簡単だったけれど、発話が全くできなかったので
私は残ろうと決めていました。もう一人の日本人も残るつもりだから
一緒に言いにいこうと言われ、先生に伝えにいきました。
そして後日、スイス人の彼女が私に
「どうして先に先生に言いにいったの?どうして誘ってくれなかったの?」
と怒りをあらわにしたことに、私はびっくりして何も言い返せませんでした。
その彼女とは学校入学当初から同じクラスで何となく気が合い
仲良くしていたので、余計にショックでした。
涙が出そうになるのをこらえながら家に帰り
二階に上がる途中、ホストマザーが冗談を言ってきても
それに答えることもできず、部屋に飛び込みました。
20年以上も前のことなので、その時の感情を細かくは覚えていませんが
きっと、仲の良い友人に理不尽な理由で怒りを向けられたことに対する
怒り、悲しみ、驚きだったのだろうと思います。
いつも明るく帰ってくる私が暗い顔をしていたので
ホストマザーは驚いて部屋に来ました。
その時の私は自分の感情を言葉(ましてや英語)にすることなどできなかったけれど
たどたどしく状況を話し、泣きじゃくる私が落ち着くまで
ホストマザーは抱きしめながら黙って聞いてくれました。
そして、「あなたは彼女と一緒に先生に言いにいくと約束していた訳ではないでしょう。
それならあなたは悪くないよね。その友達と関係を続けるのかどうか
考えてみるいい機会かもしれないね。」
そして、自分の考えや気持ちをきちんと彼女に伝えるようにも言われました。
当時の私は、自分の気持ちを相手に伝えることなど考えたこともなかったのですが
相手がスイス人だったので、ホストマザーの言う通り伝えてみようと決めた。
一週間ぐらいはかかったと思いますが、お互い話しをして納得し
それ以降は、それまで以上に仲良くなり
その後、お互い国に戻っても行き来するまでの関係になりました。
この経験から、相手に伝えることの大切さを学び
そして、ヨーロッパに住み始めて
その言葉をどのように伝えるのかもまた、大切なことに気づきました。
なぜかと言うと、自分の感情のままを言葉にすることで生じる問題もあるからです。
このことについては、またの機会にお話ししたいと思います。
明日も良い一日でありますように。
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