ベルギー国鉄の電車はここ数十年で
かなり新しいものが増えてきましたが
まだまだ古いものも多く
暖房はあっても冷房がないので
気温が30℃以上の日が続くと
車内の温度はかなりあがります。
先月、その古い電車に乗ったときのこと
向かいに座っている男性が
「ありえない。」と
何度も何度も呟いていました。
それを聞きながら
何がありえないのかと考えていました。
暑さでしょうか?
電車に冷房がないことでしょうか?
電車が遅れていることでしょうか?
はたまた全く別のことでしょうか
このように彼が何に対してありえないと
言っているのかはわかりません。
しかし、人は自分が考えていることと
同じようなことを他人も考えていると
つい思い込んでしまうことがあります。
私はそのとき
この暑さの中で、電車に冷房がないことは
ありえないと思っていたとして
その男性に
「冷房がないなんて本当にありえないですよね」
と言うとします。
彼も同じようなことを思って言っていたのなら、
「本当にそうですね」となるけれど
もし違っていたら
「はっ?この人は何を言ってるんだ?」となりますね。
そんなの電車に乗り合わせた赤の他人のことなんて
分かるはずないのは当然と思われるでしょう。
でもこういったことは
家族や親しい人との間でも起こりえること。
なぜならば
親しい関係の人ほど
その人のことを分かっているつもりになっていて
もしかしたら違うかもという意識は
なかなか湧いてこないように思えます。
親しい仲でも
先入観を持たずに接する。
新しい一面を見つけるつもりで接する。
こういったことが大切なのだろうと感じています。
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